ホームスクールを始めてみたい、と親が思い立ったらまず考えることは、自分は我が子にどんな風に学んで欲しいと思っているのか、そして我が子にはどんな学び方が合いそうかをしっかりと観察してみることです。
ホームスクールで育っているご家庭の中には、アンスクーリングを実践している方もいます。
「アンスクーリング」では、親は徹底して子どもの興味・関心から発生した学びを手助けすることが役割です。
親の側から学びのカリキュラムを用意したり、やりたがってもいないのに読み書き計算を教えることはしません。
あくまで子どもが主体であり、その子なりの探究活動をしていくなかで習得したいと感じたタイミングが来たら、読むことや書くこと、数の操作を経験していきます。
自分の興味・関心があることを親にサポートしてもらいながら好きなだけ好きなことを学べるって、最高の環境ですよね。
私もホームスクールを始めるに当たってアンスクーリングという概念を知り、理想的な学びの形だ!と感銘を受けました。
ただ自分が我が子とアンスクーリングを実践していけるかというと、上手くサポートできる自信がなく、どうしようかと迷いました。
実際にアンスクーリングをされているご家庭のママにお話を伺い、悩みも聞いてもらいました。
私の場合、なぜアンスクーリングに不安があったかというと、就学前の段階で我が子の関心はほぼゲーム一択だったからです。(ボードゲームを含みます)
そして読字・書字への意欲がほぼなく、まだ自分で読み書きができていない状態でした。
私なりに幼児期は読字や自然科学、工作など色々なことに興味を持てるように種を蒔いていたつもりでしたが、息子は手や指先を使って描いたり作ったりする活動にあまり関心がなく、ゲームに情熱が大きく偏っていました。
ですから子どもの意欲に任せていて、近いうちに読み書きを習得していくイメージが湧きませんでした。
もちろん大人になるまでには習得できるかもしれません。
でもそれまでの間に、私や夫が焦ることなく100%息子を信頼して待てるか。
あるいは「読み書きを習得しないまま大人になっても息子は大丈夫だ」と思えるか、というと我が家ではそれは無理でした。
心の中で「早く読み書きを習得してほしい」と望んでいながら、それを出さないようにアンスクーリングを実践していくというのは健全ではありません。
ですから私は、アンスクーリングという形ではなく、読み書き計算だけは私が主導になって低学年のうちに習得させるということを決めました。
親の中で、「何歳のときに我が子がどうゆう状態になっていて欲しいか」を明確にすることはホームスクールをする上ではとても重要です。
親の中にブレがあると、子どもへの接し方にもブレが出てしまい、子どもが混乱したり不安を感じたり、自信をなくすことにもなりかねません。
アンスクーリングをするのであれば、親の側に「何があってもこの子は大丈夫だ」と思える心の器と、子どもの探究心をサポートする実行力、その環境を実現するための経済力が求められます。
心の奥底に「学年並みに学校の勉強ができて欲しい」というような思いがあるのであれば、まずはその願望を直視して、なぜ自分はそう思うのかを考えてみましょう。
そして我が子の特性をよく観察して、どのように学んでいくのが親子にとってベストなのかを見極めていきましょう。
何が正解というものはありません。
あるのは「あなたたち親子にとっての良いやり方」だけです。
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