これから大人になっていく10歳ごろのお子さんが、自分の好きなことや強みを知り、自分の進みたい方向を自己決定できるようになっているには
それまでの時期に適切な発達段階のステップを踏んで、自己肯定感と確かな自信が育まれている必要があります。
自然に任せて育てているだけでは、お子さんの成長を運に任せているようなものです。
人間には生まれつき持っている個性や特性がありますが
それが才能や強みという形になっていくかどうか、自分の個性を肯定できるかどうかは育て方次第です。
10歳ごろまでに才能と自信を育む、発達の3ステップを紹介します。
ステップ① 良い脳の土台をつくる
まずは脳が急激に育っていく5歳ごろまでの時期に適切な関わりをすることで、良い脳の土台を作ってあげます。
ごく幼い時期の育ち方によってあらゆる能力に差が出るということは、教育に関心のある親御さんであればご存知のことかと思います。
調べればいくらでも情報が出てくると思うので、ここでは根拠についての説明は割愛します。
良い脳の土台とは何か?というと、簡潔にいうと「記憶力」と「思考力」の高さです。
同じ経験をしても、その経験から何をどれだけ学ぶかは人によって異なります。
自分が見たもの、聞いたもの、感じたことなどをより多く、長い期間覚えていて、その記憶を元にしてより広く深く考えることができれば、何かを学ぶスピードは驚異的になります。
人は何かを習得していくスピードが圧倒的に早い子どもを見て、「才能がある」と感じます。
つまり、記憶力と思考力が高いということは、あらゆることに対する才能の元をもっているということです。
良い脳の土台を持ったお子さんが、特に何に強く関心を持つかによって、どんな才能が育っていくかは変わっていきます。
ステップ② 生きる上で必要な基礎スキルの習得(読み書き計算)
ステップ②は自分で学んでいくために必要な基礎スキルを身につけることです。
自ら学んでいくには、自分で本やネット上の文字情報を読み、学んだことや自分が考えたこと、ひらめいたアイディアなどを紙に書く力が必要です。
数や図形の概念を知り、自由に操作できることもあらゆる活動をしていく上で必要になりますよね。
つまり小学校修了くらいまでの国語と算数の力は、早く持っているに越したことはありません。
「読み書き計算が普通の子より早くできるからすごい」などという話ではなく、自分でやりたいことを推し進めるために必要だから、早く習得した方がいいんです。
ハイリーギフテッドのお子さんでしたら、読み書き計算を教える必要はほとんどないかもしれません。
逆に放っておいても勝手には習得していかなそうだなぁと親が感じたら、計画的に学べるように設計してあげたほうがいいかもしれません。
書字や読字に困難がありそうなお子さんでしたら、ペースや目標を変える必要があるでしょう。
我が子は書字をとても嫌がったので学習のペースは最低限にしていました。
(障害ではありませんが、相対的に手先を動かす能力が凹なので、激しく面倒くささを感じるようです)
本人は「手書きで書く」という行為にあまり意義を見出していない様子で、今(9歳)では紙に書くよりタイピングの方が圧倒的に速いです。
本人の特性に合わせて習得目標は考慮するべきですが、基本的な考え方としては読み書き計算ができた方が便利だということです。
8歳くらいまでに基礎スキルを習得しておけると、より自分の興味関心に自覚的になっていく9歳以降に、多くの時間を「自分の学びたいこと」に費やすことができます。
本人の生活への満足度も高まりますし、得意分野をより深めていくことができます。
ステップ③ 強み・才能を伸ばす
良い脳の土台が作られたことによって、お子さんの中に様々な才能が芽生えていたとしても、その後の生活の中でそれを磨いていくことがなければ、その才能は強い武器として力を発揮するようにはなりません。
才能は、磨き続けなければ他者から見て分かるような形には育ちません。
あらゆる分野において結果を出している人たちに共通することは、才能があり、かつ強い情熱を持って圧倒的な時間を費やしているということです。
ただ才能があるというだけでは、圧倒的な時間をかけている人たちに追いつくことはできません。
だからこそ、自分は何に時間を使いたいのか?何の分野で才能を発揮したいのか?結果を出したいのか?ということを明確にする必要があるんです。
もちろんまだ子どもですから、お子さんが将来具体的に何をするのかは分かりません。
何を選ぶかを決めるのは常に本人です。
お子さんが未来を切り開いていくときに、才能という武器と、武器を活用する手段を考えられる力をつけておくことが、お子さんにとっての最大のプレゼントになるのではないでしょうか。
大前提は心が健康なこと
ここまで3つのステップについてお話ししてきましたが、大前提はお子さんの心が健全であることです。
お子さんにとって安心・安全な環境があり十分に休まる時間がなければ、どんなに素晴らしい教育も意味がありません。
疲弊し切った心では、何かに熱意を向けるだけのエネルギーも湧いてきません。
もしも今お子さんの心が健やかな状態になければ、すぐに環境を整える必要があります。
人生の土台となる子ども時代。今のお子さんの成長に必要なことを、今すぐにしてあげましょう。
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